天然菌による発酵
自然栽培原料に、マルカワみその味噌蔵に棲みついた天然菌でつくられた米麹のみを使用しています。
発酵食品は、微生物の働きによってつくられます。
酒や味噌、醤油、酢を仕込むときに最初に働くのが、カビの仲間である「麹菌」です。
職人たちはその麹菌を使うとき状態の良し悪しを判断するため、まず「あまざけ」をつくって味を見たそうです。
天然菌は発酵が不安定で、発酵食品を効率的にたくさんつくることが難しいとされてきました。
明治時代以降、発酵醸造に向いている菌だけを取り出し増やすことが可能な純粋培養の技術が西洋から日本に入ってきたことにより、天然菌による発酵醸造の技術は急速に失われていきます。
どんな素材を使っても、どんな環境で仕込んでも、安定した発酵を可能にしてくれる純粋培養菌の登場は、天然菌の不安定さに悩まされていた当時の発酵醸造業界に喜んで受け入れられました。
安定した品質を保てるため、今ではほとんどのメーカーが購入した菌で発酵食品を作るようになりました。
そうして、かつて行われていた天然の麹菌を活用する技術が失われていきました。
「何とか復活できないか」、「自然栽培のお米と天然麹菌で作った発酵食品は本当に美味しいのではないだろうか」。
そう考えていた私たちは、全国の蔵元をあたって天然の麹菌をつかった発酵醸造に取り組んでくださる方を探しました。
しかし、「とんでもない。天然の菌が蔵に入りこんだら他の樽に影響を与えてしまう」と、この取り組みに応えてくれる蔵元は、すぐには見つかりませんでした。
そんな中、呼びかけに応じてくれたのが「マルカワみそ」の河崎社長でした。
マルカワみそは、大正3年から90年以上続く蔵元です。 六代目の河崎宇右衛門さんが、かつての技術を残してくれていたのです。
その記憶をたどり、試行錯誤を繰り返した末に出来上がったあまざけを試食したところ、口の中に広がる深い味わいに思わず一同顔を見合わせて、そして喜びました。
一度は途絶えた、天然麹菌による昔ながらの発酵醸造を復活させることができた瞬間でした。
天然菌について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
こだわり1
天然菌の発酵に欠かせない自然栽培原料
自然栽培米、大豆を100%使用。
塩は、ヒマラヤ山系の伏流水が大平原の岩塩の地層に湧き出し、塩の湖を一億年以上という時間をかけて生成した塩湖の水を天日で干して作った塩です。
極めて汚染の少ない環境が保たれた場所で採取された世界的にも希少な完全天日結晶塩です。
私たちは発酵が失敗してしまう原因は、菌だけではなく原材料となる作物に使われている肥料や農薬にあるのではないかと考えています。
肥料や農薬が使われた農産物は、私たちの経験上、腐敗しやすいことが分かっています。
しかし、肥料や農薬の影響が少ない環境で育った自然栽培の農産物は腐らずに枯れていく傾向にあります。
自然栽培の生命力と天然醗酵菌が合わさることで、安定した発酵をする条件が整うことがあることを知ったのです。
こだわり2
天然麹菌の自家採取
マルカワみそでは、毎年夏に6〜8人がかりで2日間程かけて蔵の菌を自家採取しています。
手間がかかるため一度は途絶えた技術ですが、復活させて現在も取り組みを続けています。
麹菌を蒸し米に種付けして、さらに職人技と言える細やかな作業を経て、ようやく麹が出来上がります。
「手間をかけることで香り・味が決まるんです」 人の目で見て、大切に見守られながらつくられたからこそ他にない奥深い味わいをもつ麹が完成します。
たのしみかた1
まずはお味噌汁で
自然栽培の野菜などを具材に。
野菜から滲み出る出汁と味噌の相性は抜群です。
たのしみかた2
旨みを生かして調味料に
旨みを生かして、炒め物に、味醂と合わせて甜麺醤風にも。
カレーやトマトソースなどの隠し味にもおすすめです。
保存方法
夏場や開封後は冷蔵庫で
開封前は直射日光、高温多湿を避け、風通しがよく温度変化の少ない冷暗所で保存してください。
開封後は冷蔵庫に保管し、お早めにお召し上がりください。
室温が高くなる夏場は、長期間常温に置くと変色や味の変化が起きやすいため、未開封の場合でも冷蔵庫での保存がおすすめです。
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