こだわり1
江戸時代から続く伝統的な製法
伝統的な米酢のつくり方は、まず日本酒を醸造するところから始まります。
蒸した米に米麹そして水を加えて米を麹菌の力で糖化させ、醪(もろみ)をつくります。その後、糖化した醪に酵母が入り込むことでアルコール発酵が起こり、できあがった醪をろ過して日本酒になります。
その日本酒に蔵付きの酢酸菌を乗せることで、アルコールがお酢の主成分の酢酸へと変化します。
これが本来のお酢のつくり方になるのですが、世の中の多くのお酢は、このような伝統的な製法でつくられていません。お酢の醸造方法には大きく分けて2あります。
一つは伝統的な製法である「静置発酵法」、もう一つは大量生産型の「速醸法」です。
静置発酵は、甕や桶でじっくりと発酵させる方法です。発酵過程では空気に触れる必要があるので、上面のみがゆっくりと発酵して、すべてがお酢になるまでに熟成期間までを含めると3ヵ月から6ヵ月以上の期間がかかります。一方、速醸法は醪に空気を吹き込みながら強制的に発酵させる方法で、数時間から24時間という短期間でできあがります。
さらにそれぞれで使用する原材料も違います。本来は米、麹、水だけを原料とする米酢ですが、速醸法の場合は甘酒に醸造アルコールを添加するなど、日本酒をつくる工程自体がありません。また、途中の発酵を補うため酵母を添加したり、最終的に甘味や旨みを調整するため糖類やアミノ酸を添加することがあります。
ナチュラル・ハーモニーの純米酢で使っているのは、マルカワみそで採取された蔵付き麹菌のみ。その他は純粋培養菌や発酵を促進させる助剤などを一切添加せず、昔のままの伝統的製法で仕込んでいます。
麹菌をはじめ、醸造工程で必要な菌を自然の流れの中で取り込むことに成功したお酢です。そのため発酵の過程で限られた単一の菌だけが関わったのではなく、様々な自然の微生物が複合的に関わることで、とても複雑な味わいのお酢ができあがりました。
酸味の中にある深い複雑な味。お酢の常識を覆す味わいをぜひお試しください。
天然菌について詳しくは
こちらの記事をご覧ください。
こだわり2
甕仕込み
仕込みに使う甕は、庄分酢に代々伝わる甕。
半分ほど土に埋まっているのが特徴です。
甕を半分地面に埋めることによって内部に温度差が生まれることで、原材料がゆっくりと循環しながら発酵していきます。
地上部分に日光が当たり平均的に温度が高くなることで、酵母が働き糖をアルコールに変えるアルコール発酵が起こります。
甕の下の部分は、地温の影響で15度くらいに保たれているため、下部に沈んできたアルコールを酢酸菌がお酢に変化させる酢酸発酵が行われます。
甕の中の自然な対流を利用し、長い日数をかけて熟成させています。
こだわり3
自然栽培米と地下水
菌が良ければ発酵がうまく進んでおいしい発酵食品ができあがるのかといえば、そうではありません。天然菌の発酵に欠かせないのが原材料の質です。
自然栽培で育てられたお米は農薬も肥料も使わないため、稲は自然のリズムで育ちます。
他の栽培に比べて成長するスピードはゆっくりですが、根を長く伸ばし、自らの力でじっくり育ちます。身体にすっと馴染むような、クリアな味わいです。
そんな自然栽培のお米は腐りにくい傾向にあります。
それは発酵でも同じ。農薬も肥料も使わず育てられたお米の生命力と天然菌が合わさることで、腐敗よりも発酵に傾きやすく、菌が働きやすい条件が整っておいしく発酵することができます。
また、天然菌の発酵でお酢を仕込む上で大切な水。
天然菌による発酵においては、塩素が含まれる水道水は、発酵のために働く菌たちが塩素で殺菌されてしまうため使えません。
庄分酢では、地元のおいしい地下水でお酢を仕込んでいます。
つくり手
お酢造り350年の老舗、庄分酢
寛永元年(1624)創業。福岡県の地で350年以上の歴史がある庄分酢は、伝統的な甕によるお酢づくりを続けています。
お酢の原材料が「米」「水」「麹」といういたってシンプルだからこそ、その良し悪しが味に現れるとして、添加物や農薬を使用しない原材料を使った醸造を続けています。
筑後川の水に恵まれ、豊かな大地を持つ筑後国は米どころ、米どころはまた美酒の産地、酢は酒の発酵から生まれるもの。
その自然な流れに沿うように、四代清右衛門が酢造商いを始めたのが「庄分酢」の始まりです。
たのしみかた1
素材を生かした料理に
素材とやさしく馴染みながらも、その旨みが素材を引き立てます。
サラダのドレッシングなどに少し加えるだけでも、上品でフルーティな味わいに仕上がります。
■にんたまドレッシング
醤油がアクセント。ナチュラル・ハーモニーのカフェで一番人気の味。
★「にんたまドレッシング」のレシピはこちら
■ガルムドレッシング
イタリアンな前菜や魚介を合わせてもおいしい。
★「ガルムドレッシング」のレシピはこちら
たのしみかた2
マリネや煮物にコクとまろやかさをプラス
野菜・きのこのマリネや鶏肉と合わせてさっぱりした煮物にもおすすめです。
■きのこのマリネ
弾力のあるきのこの食感が楽しいマリネ 。
料理のつけ合わせやパンにのせたりパスタの具に。
★「きのこのマリネ」のレシピはこちら
■手羽元のさっぱり煮
油を使わずお酢と醤油でさっぱり味に 。
鶏の旨みが凝縮した煮汁はスープや炒めものにどうぞ。
★「手羽元のさっぱり煮」のレシピはこちら
たのしみかた3
爽やかな味わいのドリンクで
■紫蘇ジュース
夏にぴったりな爽やかな香りと酸味が心地よい紫蘇ジュース。
こちらは保存性も考慮した、砂糖を使ったレシピです。
★「紫蘇ジュース」のレシピはこちら
■レモン酢
炭酸と割ってさっぱりとしたドリンクで。
酢の代わりに料理に加えると、フルーティーな香りが広がります。
★「レモン酢」のレシピはこちら
保存方法
保管は涼しいところで
直射日光を避けて、なるべく涼しいところで保管してください。
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