通常、野菜は大量の肥料と農薬を使い、一回育てて終わる種からつくられています。しかし本来、種は落ちては育ち、命を繋げ広がっていくもの。
「種は時に先生であり、友人でもあり、我が子そのもの。そして自家採種とは人と種が何世代にも渡り共に歩んでいくこと」という考えから、秀明ナチュラルファーム北海道では自家採種を行っています。
自家採種を繰り返してきた種は、年々、土地の気候風土が刻み込まれその土地にあった種に育っていきます。
約50年自家採種を続けたトマトは酸味と糖度のバランスが良く、フルーツの様な味わいです。
つくり手
奇跡的な地形 せたな町との出会い
北海道久遠郡せたな町で野菜を栽培している秀明ナチュラルファーム北海道の富樫 一仁さん。
富樫さんは、幼いころから喘息とアトピー性皮膚炎を患い、一時は普段の生活にも支障を来すほどひどくなり、生きる道は自給自足する事しかなかったと言います。
そんな時、農家の知人から肥料や農薬を使用しない自然農法を勧められ、藁にもすがる思いで生産者の道に入りました。
平成13年から3年間、夕張郡長沼町の新規就農のための実地研修で米作りを学び、瀬棚郡今金町で就農。
平成16年から久遠郡せたな町へ移住し、平成17年に秀明ナチュラルファーム北海道を設立しました。
「からだは食べたものからできている。だからこそ自然にもからだにも優しいものを届けたい」との想いから、農薬も肥料も使わずに作物を育てています。
北海道西部の長万部岳(おしゃまんべだけ)を源とする"水質清流日本一"に選出された後志利別川(しりべしとしべつがわ)が流れ、1,000メートル級の山々の豊かな自然に恵まれた久遠郡せたな町。ミネラルが自然と共に循環している奇跡的な地形だと富樫さんは語ります。
そんな地で、海・山・川・大地・太陽の恵みをいっぱいに浴びた野菜たちはのびのびと育っています。