こだわり1
天然酵母のみで発酵
蒜山醸造所つちとみずのビールの最大の特徴は、天然酵母を使って醸造されている点です。
通常、ビールは発酵を早く進め、味が均一になるように、人工的に培養したビール醸造に適した酵母を使ってつくられます。
蒜山醸造所つちとみずのビールは、人工培養された酵母は一切使わず、空気中に漂う酵母を捕まえて醸しています。
酵母の取り方も独特で、麦汁(麦を煮て作った液体)を空気に触れさせる方法を使っています。麦汁をいくつかの場所に置き、蓋をして常温で数日おくと、酵母が自然に繁殖して発酵が始まります。蓋を開けた時に、柑橘のような良い香りがすれば、成功の証です。
このビールは、岡山県北部にある人口600人ほどの小さな村、蒜山(ひるぜん)の中和(ちゅうか)という場所でつくられています。酵母の採取には、場所や時間帯、晒す時間の長さを変えたり、色々と工夫しながら試行錯誤を繰り返しています。
天然酵母を使うと発酵がゆっくりと進み、人の思い通りにはいきません。味も毎回同じにはならず、仕込むたびに味わいが変わります。この変化こそが、蒜山醸造所つちとみずのビールの魅力です。
こだわり2
吟味された原材料
蒜山醸造所つちとみずのビールの原材料は、天然水、麦芽、ホップ、コリアンダーシードの4つのみ。
このようにシンプルなので、原材料の質にもとことんこだわっています。
水は、蒜山の天然水を使用。代表の杉さんはビールをつくる傍ら、農薬や肥料を一切使わないでビールの原料となる麦やホップを栽培しており、仕込みによっては自分で栽培したホップを使用しています。
その他の原材料、麦芽やホップ、コリアンダーシードはすべてオーガニックのものです。
発酵を促したり、風味を加えるための添加物などは一切使っていません。
つくり手
自然に寄り添いながら、自分らしく生きる
岡山県北部の蒜山の中和にある蒜山醸造所つちとみず。
代表の杉保志さん一人でビールの醸造を行っているブルワリーです。
杉さんは元々市役所職員。地域振興系の業務に携わっていた際に多くの人から刺激も受けて、自分の手で何かを作り出せる暮らしをしたいと強く思うようになりました。
そんな中、出会ったのがベルギーのランビックビールです。
培養した酵母を使用せず、空気中に浮遊している天然酵母や微生物を利用して自然発酵させた伝統的なビールで、人間都合ではなく、菌主体の発酵によりつくられるビールの美味しさに衝撃を受けました。
天然酵母だからこそできる長期熟成に魅力を感じ、また蒜山の美しい自然が広がる集落であれば、美味しいビールを醸してくれる天然酵母は絶対いるはずだと思い至ります。そして2023年にブルワリーを立ち上げ、ビールづくりを開始しました。
土は命を育み、住処を与え、命が還る場所。水は空気を動かし、風を起こし、地形をつくり、全ての生き物に潤いをもたらします。
そんな人が生きていくうえでなくてはならないものがある場所、蒜山の美しい風景や自然豊かな環境を守っていきたいという想いと、そこで自然に寄り添いながら、自分らしく生きていきたいという想いをこめてブルワリーを「つちとみず」と名付けています。