●レシピからの解放、自分の感覚を鍛える
まずはこの本の【序】をお読みください。
「自然栽培」の根底に流れる考え方は、農法の話だけではなく、毎日の食についても同じことが言えます。
それを分かりやすくまとめてくれたのがこの本です。
以下のようなテーマを取り上げています。
○料理がへたな人はいない。
○素材こそすべて。
○大事なのは、「足し算」ではなく、「引き算」の法則。
○「無駄」を省き、「手間」をかける。
○レシピ通りの分量から解放され、自分の感覚を鍛える。
いまある素材で料理を組み立てるようになるための、ミニマルなレシピの数々。
読んで、作って、を繰り返すうちに、いつのまにか、自分で料理を考えられるようになります。
シンプルなデザインや語り口、美しい写真の数々に、最初は気軽に読みはじめることができます。
だけど、そのシンプルな中に一貫して力強いメッセージが込められているので、各ページごとにじっくりと噛み締めてしまいます。
力強いけど、けっして押しつけられていないのが、また心地よく。
これから料理をしようとしている人は、最初にこの本に出会えて幸運だと思います!
料理をしない人は、もしかしたら料理をしたくなるかもしれません。
料理をしている人は、いろんな発見があると思います。
視点が変わり、いつもと変わらない日常に満たされる幸せ感を、ぜひ味わっていただきたいです。
●出版元「時雨出版」のこだわり
作り手は、いまは休刊してしまった季刊書籍「自然栽培」の元編集長、温野まきさん。
温野さんが立ち上げた出版社「時雨出版」で出された初めての本です。
じつは、この本は一般書店やアマゾン等では販売していません。
というのも、一般の書店に流通させるためには、実際に売れるであろう数よりもずっと多くの冊数を印刷しなければならず、30~40%が売れ残りリサイクルまたは廃棄されるという現状があるためです。
ほとんどは海外の森林を伐採してつくられる紙ですので、リサイクルされるといえども、そもそも必要以上に森林を伐採することのないように、直接注文が入った冊数を少しずつ販売していく、必要な分だけ印刷する、という方法を取られています。
またカバーは、海洋汚染の原因のマイクロプラスチックになりやすいポリプロピレン(PP)加工をせずに、ニスで加工しています。
ニスはPP加工に比べると強度が弱く、傷が付きやすいのですが、その点をご了承の上お買い求めいただけますと幸いです。(そのため、丁寧に1冊ずつ紙で包装してくれてます。)
監修・料理
古谷暢康(ふるや のぶやす)
神奈川県生まれ。10代より渡欧し、ミュージシャンとして活動後、丹沢の山にて猟と食に携わる。
出版
時雨出版