天然の蔵付き麹菌と自然栽培の原材料から造られたお醤油。
栄醤油醸造さんに先祖代々伝わる木桶で仕込む伝統的な造りの醤油は、天然菌独特の深みある一品です。
酸味と旨味と奥行きに余韻があり、他にはないクリアな美しさがあります。
わたしたちが胸を張っておすすめする醤油です。
しっかり目の濃い味なのでお米との相性抜群。
食欲をそそる香ばしさに、ついついご飯が進みます。
かつお節にオリーブオイルと醤油を合わせると簡単にごはんのおともに。
おすすめのオリーブオイルはアサクラのオルチョ・サンニータ。
■本物の醤油を目指して
自然栽培の原料で「天然の蔵付き菌で醸した醤油」をつくりたい。
そんな想いから始まった天然麹菌の醤油づくり。
最初にチャレンジした仕込みでは、醗酵が途中でうまくいかなくなり、
悔いを残しながらも開発を途中で断念したこともありました。
その後白羽の矢が立ったのが、静岡県の「栄醤油醸造」でした。
古くから木桶と無添加の本醸造にこだわり続ける数少ない蔵元でしたが、
最初にその話を提案させていただいたときには、当然のことながら断られました。
当たり前といえば当たり前です。
天然麹菌をはじめ、大豆・小麦・塩に至るまですべての原料を持ち込んで醸造するということは
未知の試みでリスクも大きく、もし失敗したらまるごと桶をだめにするどころか
他の桶にも影響が出てしまう可能性があります。
しかし話し合いの末、栄醤油代表の深谷 益弘さんより「やってみましょう」と言っていただけたのです!
勇気ある決断をいただき、天然麹菌の醤油づくりへの希望が見えたと同時にここからが本当のスタートでした。
最初の仕込みは、初めての連続。天然麹菌が醗酵してゆくプロセスは、
純粋培養菌に比べてゆっくりで、最初はモロミになかなか変化が起こりませんでした。
通常醗酵が盛んになると、木桶全体でモロミが膨れ上がりプツプツと二酸化炭素を放出しますが、
それが一向に始まりません。しかし、櫂入れなどの工程を試行錯誤した結果、ようやく醗酵が始まってくれました。
醗酵は順調に続き、約1年半の歳月を経て無事に醤油ができあがりました。
その後、蔵元独自に麹菌の自家採種も始め、技術的な情報がない中昔の文献を参考にしたり、
過去の仕込みデータと照らし合わせたりして、安定的な自家採取の方法を探り編み出しました。
良い素材に頼るだけではなく、常に醤油づくりの技術に向き合い続ける姿勢…。
つくり手である栄醤油醸造のひたむきな姿勢と熱意が込められた他にない醤油が、こうして生まれました。
自然にじっくりと醗酵させた醤油は、複雑な旨みがありながら素材の味を邪魔せず、
料理をやさしくまとめてくれます。
お刺身・煮物・オイルと混ぜてドレッシングに。
焼いたお餅にひとたらし、焼きおにぎりにもおすすめです。
しっかりとした力強い醤油の旨み。じんわり広がる、奥行きのある酸みと旨みをお楽しみください。
■つくり手の紹介 「栄醤油醸造」
1795年(寛政7年)創業。静岡県掛川市の横須賀にある蔵元です。
横須賀は徳川家康由来の城があったことから城下町として栄えた町で、
創業当時は刀鍛冶と並行して醤油造りを行なっていたそうです。
純粋培養された麹菌を使い醸造することが主流のなか、
他の蔵元でほぼ行われていない麹菌の自家採取に2011年から独自に取り組み、
より美味しい醤油づくりを追及・昔ながらの製法を守り続けています。
※こちらの商品は、2019年5月中旬まで「蔵の雫」として販売していました。